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生徒会長から許可を貰った日から二日経って、いよいよ新入生歓迎会当日だ。
まあ、俺と時雨先輩は参加しないがな。
「しかし…新入生歓迎会でやることが"鬼ごっこ"とは…」
俺は溜め息をつく。
昔、姉貴とよくやったものだ。
「去年は只の舞踏会だったからな…皆楽しみにしていたぞ」
舞踏会か…。
「時雨先輩、本当に良いんですか?」
「ああ。お前と二人っきりで嬉しいぞ」
「…俺もですよ」
冗談に冗談を返していると、歓迎会が始まる合図の放送が流れた。
≪今から新入生歓迎会を始めますので、運動場に集合してください。サッサとしてくださいね≫
今の声は…副会長か。
「そろそろか…」
「そうですね」
「済まないな、巻き込んで」
「今更ですね」
小さく笑って、皮肉を言う。
時雨先輩は苦笑した。
「さ、頑張ってやるぞ」
「はい」
俺達は集中力を高めて、書類に集中した。
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