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≪荒川side≫
「いよいよだねー」
僕の言葉に赤木くんは頷く。
「そうだな。しかし…鬼ごっこか」
「昔が懐かしいなあ」
良く友達とやったなあ…。
僕は、足が遅いからちょっと自信が無い。
≪全員集まりましたね≫
あ、そろそろかな。
≪では、新入生歓迎会の説明を始めます。今年は、"鬼ごっこ"です≫
この学園のことだから、変わったルールがあると僕は思う。
≪ルールは、普通の鬼ごっこと殆ど変わりませんが、特別なルールがあります。
鬼は、逃げる役割の方を捕まえ、その方にどんな命令をすることも可能です。相手が嫌がる様な命令は駄目ですからね?≫
命令かあ…。
≪鬼をやる方は、昨日の内に決まってますので私の所に来て鬼の証であるハチマキを取りに来てください≫
僕は逃げるのか…嫌だなあ…。
「荒川、一人で大丈夫か?」
「え?…赤木くん、鬼なの?」
「ああ。誰も捕まえないがな」
そうなんだ…。
「赤木様、僕が荒川様と一緒に居ますので安心して取りに行ってください」
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