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≪皇輝side≫
「はー…」
溜め息をついて、目頭を揉む。
時雨先輩も同じ動作をしていた。
…しかし、今まで休憩無しでやってきたおかげで、結構少なくなってきた。
目を閉じて休憩していると、風紀室の扉がノックされた。
時雨先輩が、どうぞ、と言う。
「…失礼、します?」
中に入ってきたのは、保険医の橘先生だった。
「なんで敬語なんですか。しかも疑問符付いてたし」
時雨先輩が、橘先生に言って笑う。
「あー…仕事中だったら申し訳ないな、って思ってたから…」
橘先生は、照れくさそうに頬を掻きながら笑った。
可愛い先生だな、と思った。
「橘先生、用事は何ですか?」
「…用が無いと、駄目なのか」
拗ねた様に言われ、慌ててしまう。
「いや、そんな訳じゃ…」
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