鶴亀奇譚

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   母さんに会いたい、一目だけでも会いたい。  島太郎の願いもむなしく、母親は 冷たい北風が吹く日、ひっそりと息を引きとったのでした。  母親には、親族は父親と島太郎だけです。  ばくだいな遺産が手に入りました。  しかし、ちっとも嬉しくありません。  それに比べ父親は、母親が経営していた学校法人も手に入れ、なにやら とても嬉しそうです。  それは、島太郎にとって許しがたいものでした。    
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