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話し掛けてきた関西弁の男は、金髪のつんつん頭に鋭い目付き。
服装は黒のゴシックパンツに黒のTシャツ。勿論背中には亀マーク等はない。
黒で統一した簡単な着こなしだが、全身を通して見ると、金の明るい髪のおかげで、色のメリハリがしっかり出ており、どっかのコスプレ痛男と違い、オシャレな着こなしだった。
「ももしろ……?なに?いえ違いますよ」
「いや、絶対ももしろじろさんやろ?サイトに書き込みしてる服と全く同じやし、そんな服、他に着る人居らんやろ」
そこまで聞いて、ようやくサークルのハンドルネームの事を言ってるんだと気付く。
「ももしろじろ……いえ、桃白白でタオパイパイと呼ぶんですよ」
「そうなんか!通りで変なハンネだと思ったわ。よろしく!タオ」
「タオ?ふん。馴れ馴れしい。貴様……
死にたいのか?」
「……」
勿論死にたいのだが、イタ男のむかつく決め顔に、はい、そうです等と素直に言う訳もなく……
それから約十秒……
フルボッコされた、イタ男の顔はビフォーアフター顔負けの変形を遂げていた。
「ふひひ……おかしいな。この人の頭上にコンボ数が見える」
「わいはニャーゴや。よ・ろ・し・く」
「はは……発情期の猫の鳴き声みたいなハンネですね」
顔をパンパンに腫らし、性格、見た目とも痛々しい人間がここに誕生した。
「固っ苦しいな~気軽にタメ口でええで」
「えへ……たった今、気軽にふざけて、ボコボコにされたんだけどね」
お互いにハンネで自己紹介を済ませた二人。
自己紹介でここまで殴られるタオ。
この関西弁の男も自殺志願者の一人だった。
それから、二人は他愛のない会話で時間を潰すこと数分。
「しかし、桃白白でタオパイパイか。桃のようなパイオツ的な意味か?イヤらしいな~」
「全然違う。ドラゴン○ール知らないの?」
「知っとるけど、そんなんフリーザの部下におったっけ?」
ニャーゴの中でタオパイパイは、フリーザの部下として登録されたのであった。
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