First part:始業式

11/68

22人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
 そうして彼女は、黒い銃口を向けるのだった。  どこから取り出したのか、おもちゃのようなソレ【、、】を向けて。  栗色の髪の彼女は。  どんぐり眼な彼女は。  黒パーカーの彼女は。  相も変わらず親しげな口調で尋ねるのだった。 「最後に一つだけ質問。かずくん、キミは何組の生徒なのかな?」  ……悪い予感ほどよく当たるもので。  不思議と彼女が向ける黒い塊がおもちゃだとは思えずに。  そのくせ慌てることなんて一切なくて。  彼女の左腕に抱えられたままのシラタマを見て。  ただ一心に、こう思うのだった。  ひらがな英語にはもう二度と関わりません。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加