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「それを、やってのけたのさ」
隼人はきっぱりと言い切った。
「………………は?」
当然の疑問符だった。
「だから、やってのけたのさ。個人の才能の数値化。そして天才の選抜を」
「やってのけた……って、え、どうやってだよ? 何を基準にしてさ?」
「さあ?」
「さあ、って……」
「方法は僕も知らない。誰が知っているのかもわからないんだよ。でも確かに、選抜できるようになってしまったんだ。できるようになってしまった以上、その選抜方法なんて些細な問題さ。今さらその選抜方法を知ったところで仕方のないことだよ。重要なのはそこじゃない。重要なのは僕ら【、、】が有能な人材として、天才として、選抜されてしまったことなんだよ」
……。
………………。
………………………………。
「…………………………は?」
「うわー。ためたねー」
体を寝かせたまま、花梨がつっこんだ。
にゃおん、とシラタマも同意する。
「え、つまり。隼人も一条も、選抜された……、その、“天才”ってこと?」
「僕ら自身、そんな呼び名が好きなわけじゃないけどね。それと、僕らだけじゃなく、キミも、だよ」
「……え、俺が天才?」
驚かなかったわけじゃない。だけど、
「はっ、まさか」
今度は溜めずに、鼻で嗤ってやった。
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