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「……話が、非現実的すぎる」
隼人の話を反芻して、理解して、そうとしか思えない。
美羽のわがままで引越して。美羽が手配してくれた学校に入学して。普通の学校だと思っていたら、やたら小さい初対面の女の子に拳銃を向けられて。教室に担任は来ないし、教室の机は五個だけで。かと思ったらヘリコプター飛んできて。入学式もやらずに、二人のあとについて来て。そして結論――俺、天才。
額に触れる。
頭を抱える。
結果。
「――無理。ごめん、大分付いていけてない自信ある」
いや、面白そうって思ったよ?
きっとこの二人と一緒に行けば今までよりも面白い毎日になる気がしたよ?
でも〇.〇一パーセントの天才って。
……アホか。
「このヘリに乗る時、確かにお前らは変わってるとも思ったし、一緒に行けば面白そうだとも思った。でもさ、さすがに自分が天才だなんて言われるとさ……」
「ははっ、自信がないってかい?」
愉快そうに笑う隼人を憎たらしく思いつつも頷いた。
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