First part:始業式

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 多分、一番、俺がその答えを知りたい。 「……まあ、その。俺がなんでここに居るのか分からないってことは分かった。とりあえず二つ目の質問はここまでとして――最後にもう一つ。いいか隼人?」 「僕に答えられることなら、ね」  さっきの質問のことを言っているのだろうが、問題ない。  最後の質問は、隼人は必ず答えることはできる。 「このヘリはどこに向かっているんだ?」  そうして俺は、俺たちが今どこに向かっているのかをようやく訊ねる。  隼人は老け顔を不敵に歪めて、 「……ああ、そろそろ到着だ」  答えになっていない答えを返すのだった。
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