episode.1

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それから、満里奈は心に立ちこめていた霧が一気に晴れたように、どんどん明るくなっていった。 バスケ部のみんなの周りには、いつも笑顔が溢れていた。 満里奈は、仲良くなる前はずっと、遠目で眺めながら、 "あの子達は、どれだけ面白いことを話してるんだろう…" そう思っていた。 だって、あんなにいつもいつも笑っているんだから、 きっと、ものすごく面白い話をみんな持っているはず… そうとしか思えなかった。 でも、仲良くなって、初めて気付いた。 みんなは大笑いしてるけど、 別に、たいして面白い話をしているわけじゃない。 それでも、誰かが普通に話しているだけで、 周りには笑顔が溢れていた。 "そっか…こんな他愛もない話でも、笑い合えるんだ…" そんな当たり前の事が、 満里奈にとっては、かなりの衝撃だった。 今まで、こんなに自然に友達と笑い合えた事はない。 いつもいつも、相手の顔色をうかがって、笑っていいのかすら、考えていた満里奈だから…。
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