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それから、満里奈は人が変わったように明るくなった。
明るくなっただけではなく、
沙織たちとつるみだした事で、学年でも目立つ存在になっていった。
沙織が声をかけてくれたのは、もう二年生も終わりの頃だったから、
ほどなくして、満里奈たちは三年生に進級する。
沙織たちとの出会いで、
心のもやもやが晴れたせいか、満里奈は今までの生活が嘘のように、はじけていった。
二年生の時には、あんなに満里奈に対して酷い事をしてきた主犯格の彼女も、満里奈が目立つ存在になった途端に、態度をコロッと変えてきた。
謝られたわけでもないのに、
やたらと親しくしようとしてきたり、
しまいには、バスケ部の子達に伝言してくれ、と頼んできたり…。
満里奈は多少腹立たしくも思ったが、実際、そんな奴の事はもうどうでもよくなっていた。
はっきり言って、そんな女なんて眼中に無かった。
もう誰にも、心を乱されたくなかったから。
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