episode.2

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―入学式。 満里奈は、ワクワクしていた。 "高校に行く"事に関しては、全く興味はなかったが、 "女子高生になる"ことは、実際、少なからず嬉しかった。 なぜかって、わざわざ中学生の頃みたいに、学校が終わってから制服を変える必要もないし、化粧も、髪を染める事も、誰にも咎められることも無くなる…と思っていたから。 ちなみに、言っていなかったが、満里奈の中学校は、校則がめちゃくちゃ厳しかった。 制服に至っては、 上から下まで…靴下も靴もカバンもコートも全て指定。 髪型も、肩につく場合は、必ず縛らなければならない。 当時流行っていたルーズソックスも、靴下がちょっとでもたるんでいようものなら、 その場で脱がされた。 更に、化粧なんてしていった日には、見つかった時点で、水道で全部落とされる始末。 もちろん、髪も染められないのだが、満里奈や沙織は、"日焼けした"と嘘をついて、少しだけ茶色くしたり、黒染めでごまかしたりしていた。 だから、毎回学校帰りに街に出る時は、いちいち靴や靴下を変えなければいけなかったのだ。 そんな煩わしさから解放されると思うだけで、 満里奈はワクワクしていた。
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