episode.2

13/31
前へ
/450ページ
次へ
奈緒子と離れた後も、満里奈の興奮は収まらなかった。 "この学校にもいたんだ~あんな人♪" 教室に戻っても、満里奈は何だか上機嫌だった。 確かに、奈緒子は満里奈のクラスの子よりは垢抜けていたが、それはあくまでもこの学校の中で…というより、入学してから満里奈が知る中では、の話で。 満里奈が今まで中学生からつるんでいたような子達とは、やっぱりどこか違った。 真面目で、悪い事なんて一つもしない、優秀を絵に描いたような生徒しかいない…と勝手に決めつけていたから、 先輩といえど、満里奈が想像していた"高校生"らしい人がいてくれただけで、何だか道が開けたような気さえしていた。 まだ一年生の他のクラスの人すら知らないのに… …本当にこの頃の満里奈は、単純で、失礼極まりない奴だった。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加