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"あんなかっこいい人に弟がいたなんて♪絶対かっこいいはず♪"
満里奈は完全にそう決めつけていた。
二組に向かいながら、満里奈の想像は膨らむばかり…
そのままの勢いで、満里奈たちは二組に着いた。
「奈緒子!どの人?」
満里奈は廊下から教室を覗き込み、奈緒子を急かした。
「はいはい…えっと~…あ、ほらあそこ。あの窓際で電話してる奴だよ。」
奈緒子が指差した先にいたのは…
髪型はマッシュルームカットに、なんだかよくわからない柄のセーター…
髪型のせいで顔はよく見えないが、どこからどう見ても"イケメン"とは言い難い風貌の少年だった。
「奈緒子…ほんとにあの人?」
満里奈は思わず奈緒子に聞き返してしまった。
奈緒子は溜め息をついて、
「もう…だからあんまり期待するなって言ったじゃん。」
と苦笑いした。
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