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その日から、満里奈は二組に行くときは、
奈緒子だけでなく春希ともよく話すようになっていった。
奈緒子に教えてもらうまで、
全くといっていいほど、その存在を知らなかったが。
最初は、"岩崎先輩と仲良くなりたいから"、春希に近づいた満里奈だったが、
そのうち、春希本人に興味を持つようになっていた。
春希の周りにはいつも誰かが集まってくる。
彼は、見た目こそ全く目立たないが、その周りでは、いつも笑いが絶えなかった。
男女問わず、誰とでも仲良くできる春希。
いつも、クラスの中心的存在のようだった。
満里奈は、そんな光景をみる度に、自分の過去を思い出していた。
教室の隅で、笑い合うみんなの姿をただ眺めていたあの頃…
春希自身に興味を持つ程に、その存在は、とても輝いているように思えた。
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