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奈緒子は一呼吸おいて、話し出した。
「あのね、例の話、進展あったら教えるって言ったじゃん?」
"例の話…"
満里奈はピンと来たが、敢えて分からないフリをして聞いた。
「何?例の話って…」
「あれだよ!まどかの…」
奈緒子は少しだけ声をひそめて言った。
「あぁ…」
満里奈は表情を変えずに答える。
奈緒子は、気にせず続けた。
「実はね…。あれから、岩崎が彼女とちゃんと別れたらしくて…」
「…」
満里奈は何も言わずに奈緒子の話を聞く。
「で、それを知ったまどかがさ、告白するっ!て言い出して…。それが…いつだと思う?」
奈緒子は勿体ぶって質問してきた。
「え~?わかんないし。…いつ?」
満里奈の興味ないフリも限界で、ついつい奈緒子の質問に乗ってしまった。
奈緒子は少しだけ満足そうに笑って、続けた。
「今日だって!今日の放課後!」
「…今日!?まじで?」
「ほんとだよ、嘘ついても仕方ないし♪満里奈には言っといた方がいいかな~と思ってさ♪」
満里奈の反応に、奈緒子はやっぱりどこか楽しそうだ。
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