episode.2

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どの位経っただろうか… 満里奈は、ピッチを眺めながらソファにもたれかかったままだ。 (※ピッチ=PHS。当時の主流は携帯電話ではなくPHSで、みんなピッチと呼んでいた。) その時、満里奈のピッチがメロディーを奏でながら光った。 とっさに通話ボタンを押す。 「もしもし…」 相手は奈緒子だった。 『もしもし、満里奈?もしかして待ってたの~?』 電話の向こうで奈緒子は笑いを堪えているようだ。 あまりにも満里奈が電話に出るのが早かったので、ずっと待っていたと思ったらしい。 「べ、別に待ってないし!たまたまピッチ持ってただけだし…」 『はいはい♪アハハ…』 奈緒子はまだ笑っている。 「ちょっと…もういいでしょ?」 ちょっと不機嫌になった満里奈の声に、奈緒子は笑いを堪えながら続けた。 『うん、ごめんごめん。…で、結果だけど…。』 「…」 満里奈は何も言わずに奈緒子の言葉を待った。
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