└1 神話を背負う少女

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 特徴的な藍色の瞳に、ともすれば寝癖と捉えられかねない、癖のある栗毛。女の子のような細面(ほそもて)の顔立ちをしておりますが、身長は同年代においてはやや高水準の域です。身の丈14〇センチの私からすれば羨ましい限り。まあ、来年辺りには私、ナイスバディのレディに成長している予定ですので、今のところだけですが。  性格は――詳しく言及できる程には知らないというのが、正直なところです。悪い方ではない、とお茶を濁せる程度でしょうか。出会って間もないというのもありますが、互いにあまりお喋りな方でもないので、情報交換が少ないのです。それでも、行動の端々から読み取れ、というのはごもっともなご意見。ですが私、人間観察はあまり得意ではありませんでした。  気遣いに気付くのも、ある種の気遣いだと思うのですよ。誰ですか、今無神経と言ったのは。  とにかく。  特に親しいわけでもなく、かといって気が付くといつも一緒にいるような仲、それが私とアルの間柄でした。
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