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リーダー格の後ろで、母が死んでいました。それはもう母ではありませんでした。真っ赤です。私も真っ赤でした。傷口からとめどなく流れる血が、私を母と同じにしてくれていました。私は泣きませんでした。未曾有の痛みと傷みを前にしても、私は泣きませんでした。転んだだけで泣いていたかつての私は、そこにはいませんでした。次から次へと起こる異常事態に、幼かった私の心は既に壊れてしまっていたのかもしれません。私は何を考えるのでもなく、かつての母と今の私の身体を見ていました。
どれだけの時間をそうしていたでしょうか。あるいはほんの刹那だったのかもしれません。そこにきて、リーダー格が何かを閃いたように、唐突に動き出したのです。
まずは全身に走る鋭い痛みでした。身体の至るところに熱湯をかけられたような感覚です。
見ると、服飾の隙間から覗く肌に、様々な切り傷が刻まれていました。指の先から手の甲、手のひらから腕にかけて。靴から伸びる足は、スカートに隠れる膝頭まで。それはもう、無数に。分け隔てなく。見えないところまでが、痛みという現実を伴い事実を突き付けてくるのです。
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