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透明な夜
どうして
私だけがこんな目にと思い
また夜が明ける
いや違う
みんなつらい
私だけがつらいなんてそんなこと
あるはずがない
でもみんな笑ってるの
楽しそうなの
笑えないじぶんが
おかしいのかな
今日一日だけ
いきるのが
せいいっぱいな私は
どうしてみんな明日が
当たり前にあると信じて
いきられるかがわからない
息をするのも
ねむるのも
悲しくて
苦しい
比べてしまうのが悪い
私が悪い
わかっている
一人一人違うのはわかっている
同情してもらいたいのか
理解してもらいたいのか
それさえもわからない
ご飯が美味しくないのも
人の顔を思い出せないのも
わからない
いっそ世界で一番不幸だったら良かった
みんなが認めるほどの不幸を
背負っていたら良かったんだ
そうすれば
このくるしみに
みんなの目が冷たくなることは
なかったはずなんだ
あの日
しんでいたはずの私が
まだいきているのは
本当は誰よりもいきたいだけ
でも誰よりも
しぬことしか頭にないのも
事実で
一日が終わるたびに
しんでいる私は
何回しんだのだろう
きっと明日があるから
しぬのね
また今日も笑えず
一日が終わる
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