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side.出岡 和葉
「先輩、薫先輩寝ちゃいましたよ」
副会長の衝撃発言に驚いていると、それをうち壊すかのように瑞希がそう言った。
「・・・ったく、こいつは。どうやったらこの状況で寝れるんだ」
「睡眠は薫先輩の趣味ですからね」
俺が呆れてそう言うと、瑞希は愛しいそうに寝ている薫の頭を撫でていた。
「ごほん、」
「あぁ、悪い」
つい薫に注意がいっていた俺に副会長が待ちくたびれたかのように咳払いをした。
「つか、キスって・・・転入生を親衛隊のいざこざに巻き込むつもりですか」
「そこはちゃんと考えていますよ。朝陽は私が守りますから」
なにがこの副会長をこんな風にさせたのかはわからないが、これ以上言っても無駄だとわかり、俺は寝ている薫を抱き上げて立ち上がった。
「副会長、薫の仕事は?」
「つれていってもらって結構ですよ。松崎がいると龍牙がピリピリしますし、仕事はもう終わってますから」
「では、お大事に」
副会長の言葉を聞き、俺は薫を連れてそのまま瑞希と風紀室に戻った。
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