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side.松崎 薫
「ん、ぅ・・・」
「薫、起きたか?」
「あ、れえ・・・かぐらせんぱい?」
目を覚ますと保健室ではなく、見慣れた天井と見慣れた綺麗な顔があった。
「おれ、なんで風紀室に、?」
「保健室で寝ちまったから連れてきたんだよ」
声のした方を向くと、書類に視線を落としたままそう言った和葉ちゃんがいた。
どうやら寝てしまった俺を和葉ちゃんが風紀室まで運んでくれたらしい。
「・・・で、神楽先輩はなにしてるの?」
「ん?久しぶりだな、と思ってな」
「確かに、久しぶりですねえ」
神楽先輩は俺の先輩で風紀委員長。中学のときから可愛がってくれていて、おれは神楽先輩になついている。
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