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「かぁずはちゃぁぁん」
『どうした?』
和葉ちゃんに電話をすると、和葉ちゃんはワンコールで出てくれた。
『転入生に何かされたのか?』
「和葉ちゃん、超能力者なのお?」
和葉ちゃんは俺が連絡してきた理由がわかったらしく、低い声でそう聞いてきた。
『あいつ、鈴木が騒いでた王道転入生らしいから、お前はあんまり関わんなよ』
「へえ、あの子が王道くんなんだあ」
俺も和葉ちゃんも中学のときからたろちゃんに王道転入生の話を聞かされていて、興味はないがなんとなくは知っている。
『もしかして、もう何かあったのか?』
「大丈夫だよお。たろちゃんが助けてくれたからあ」
『馬鹿もたまには役に立つな。まあ、とにかく名前を言うのはやめとけ』
「はあい、」
和葉ちゃんはそう言うと、忙しいのか電話を切ってしまった。
携帯をしまってたろちゃんを見ると、たろちゃんはいまだになにやら悶えていた。
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