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「薫くうううううん!!」
「たろちゃん、なあに、」
寮に戻ると、入り口のところにたろちゃんがいて、俺に気づくと飛び付いてきた。
「なんで僕のこと置いていったの!?あのときの僕の虚しさわかる!?教室にもいないし・・・!!」
「だって萌えてるところ邪魔しちゃ悪いと思ってさあ」
「薫くんに放置されるのが一番悲しい!!」
「あー、うん。ごめんねえ」
「かるっ・・・まあ、そこが薫くんのいいところなんだけど、」
よくわかんないけど早く中に入れてくれないかなあ。じゃないと、あの人が来ちゃう・・・
「よう、薫。久しぶりだなぁ」
ああ、もう見つかっちゃったみたいい、
声のした方を見ると、寮管室と書かれた扉の前にもたれ掛かっているイケメンで無駄に色気を放つお兄さんがいた。
「お久しぶりですねえ、市松さん」
「名前で呼べっていつも言ってんだろ?」
「わかりましたあ。で、どうしたんですかあ、聡さん」
市松 聡さんは寮管で、なぜか俺を見かけるとちょっかいをかけてくる厄介な人。
「久しぶりだし俺の部屋で遊ぶか?薫」
「お断りします。和葉ちゃんに怒られちゃうしい、」
「バレなきゃいいだろ」
「っ、んあっ・・・耳やだって言ってるじゃないですかあ、」
「相変わらず感度いいなおまえは」
聡さんは俺に近づいてきたかと思うと、いきなり耳に息を吹きかけてきて、俺は咄嗟に変な声を出してしまった。
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