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「副会長、大丈夫?」
「・・・松崎?どうして、」
カーテンを開けて中に入ると、俺が来たことに心底驚いているような副会長がいた。
「この子から副会長が殴られたって聞いて様子見に来たんだよお」
「・・・そうですか」
副会長は呆れたようにそう言うと、親衛隊隊長くんに「私は大丈夫ですから席を外してください」と言い、隊長くんを保健室から追い出してしまった。
「で、誰にやられたんだ」
隊長くんが出ていった瞬間に口を
開いたのが和葉ちゃん。
俺は隣のベッドに寝転んで、りーくんに頭を撫でられながらお休み三秒前だ。
「転入生ですよ」
「・・・てんにゅーせいってふくかいちょーがむかえにいったこ?」
「薫、眠いんなら口挟むな」
「んー、」
うつろうつろしている俺は舌が回らず、副会長に質問すると和葉ちゃんに怒られた。
「ええ。ですが、これは自業自得ですから風紀が出る必要はないですよ」
「自業自得?」
「私が初対面で転入生にキスしてしまったのが悪いんで」
その時点でおれの意識は半分夢の中で、そこからの話はまともに覚えていない。
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