始まれば怒涛の勢い

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気がつくと、私はどうやら布団の中。暗くて分からないけれど、総司さんはいない。切腹の件の後何があったのだろう? 念のため自分のお腹に手をあててみるが、怪我した跡もない。 私は混乱して困らせた挙げ句、睡魔に襲われて寝てしまった…? 明日また謝ろう…。 そしてもう一度眠ろうと目を瞑ると、とても肌寒い事に気がついた。布団を首まで被ってもまだ寒い。 このままじゃ凍え死ぬ!! と思っていたら、手近な所に抱き枕?らしきもの発見。布団の中にあるせいか暖かい。 私は抱き枕をしっかり抱き、眠った。 *********** 「樹雨ちゃーん、朝でっ…す…よ……」 「……沖田はん?これには、深い訳があってやな…」 「何…やってんじゃ山崎ぃぃぃぃ!!!!」 「のわぁーっ!?危ないやろ!いきなり刀投げたらアカン!樹雨ちゃんまだ寝とんのやぞ!!」 「この僕が標的を外すとでも…?ふ、ふふ…、天誅!!」 「うるっさーい!!!!」 騒がしい叫び声で目を覚ませば、不思議な事に布団の中ではなく見知らぬ人にお姫様だっこされてました。 「……不審者!?」 「ちゃうわ!!」 「樹雨ちゃん、今すぐその獣から離れてください。すぐに狩りますか…らっ!!」 嘘!?脇差し?投げたぁぁ!? しかし不審者はひらりと私を抱えたまま避けた。不審者すごい! って…、逃げなきゃ!! 「離してください~っ」 「暴れんなや!それどころちゃうて!!」 「がうっ!」 「アホ!噛むな!」 「死ね山崎ぃぃぃぃ!!」 「うるっせぇぇぇ!!!!」 トシ登場。一瞬で場が静かになったのはいいが、状況が状況なだけに固まってしまった。その気持ちはよく分かる故に、トシに今日は嫌がらせしない。 「死ね土方ぁぁぁぁ!!」 「ぁんだとごらぁぁぁっ!!!!」 「ふぁにゃふぇふひんはーー!!!!(離せ不審者ーー!!!!)」 「だから噛むな言うてんねん!!」 この騒ぎは、斉藤さんが来るまでおさまりませんでした。
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