始まれば怒涛の勢い

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「ってことで、後は任せた」 「職務放棄!?」 トシが私の部屋を総司さんと斉藤さんの間に決めた瞬間そう言ったので、思わず言ってしまった。すると即座に頭わしづかみの刑になった。 「誰がだっ!!」 「いたたたたた!?」 「こらトシ!我が娘に何をするか!!嫁の貰い手がいなくなったらどうす…る……」 お父さんがトシを叱った所で固まった。全員して首を傾げる。トシが私の頭から手を離して、どうしたのか聞いてみた。 「っ…トシ!樹雨もいつか嫁にいくのかなぁ!?お父さん嫌いとかって言うのかなぁ!?」 号泣しながらトシに詰め寄ったお父さん。ごめんなさいお父さん、たぶん本来ならば今がその時期です。 「樹雨ちゃん、近藤さんはああなったら暫くは戻りませんから、部屋に案内します」 「あ、じゃあ俺もいくー」 藤堂さんが名乗りをあげた。私はそこでさっきから実行したかった事を試す事にした。 「藤堂さん藤堂さん。ちょっとしゃがんでください」 不思議そうにちゃんとしゃがんでくれた藤堂さん。私はすかさずその頭を両手でがっちり固定した。 「!?樹雨!?何何何?俺なんかした!?」 「やっぱり…かっわいいー!!」 そのまま抱きつき頭を撫でた。藤堂さんは完璧なる犬顔で、猫顔の私としては羨ましい限り。先程までの斉藤さんのように、私は藤堂さんを愛でたおした。 「ちょっ、樹雨!(近いっ近いっ!でもやっぱ可愛い!)」 「藤堂さんわんこみたいなんですよー?もーさっきから愛でたくて愛でたくて!」 頬擦りしてたっぷりと藤堂さんを愛でていると、暴れていたのに一転しておとなしくなってしまった。 「平助……猫を返せ」 「そうですよー平助。僕の右腕が我慢してるうちに」 「ひっ……、樹雨!早く部屋案内するから!!離れて!!」 確かに。部屋の場所も覚えないと、私方向音痴だ。…!! 私は藤堂さんをぶっ飛ばす勢いでトシに向き直った。後ろから鈍い音がしたが気のせい気のせい。 「気づいてるよね完璧に!!きっ……ぎゃあああ!!!?」 何となくチャキっという音や、殴る音が聞こえた気がしたが気のせい気のせい。 「なぁ左之…平助生きてっかな?」 「新八…手当てと看病の用意だ」 「総司と斉藤は怒るとこえぇからなー…」
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