第一章《始まり》

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   しかし、そこは少女の想像とはあまりにかけ離れた所だった。真っ暗で扉だけがいくつもある場所。  少女は、地下にある通路を歩き、ここが異常な場所だと直感的に悟った。  引き返そうとしたが、 (もしここに弟がいたら……?)  そう思ってしまった。  見たことも会ったことも無く、存在自体知らなかったのだから、他人のようなものなのだが、それだけでは済ませられなかった。  少女は扉を片っ端から開け、いるかもしれない弟を探し始めた。  部屋の中にあったのは、さまざまな大きさの黒い塊ーーおそらく爆弾等の戦闘兵器、そしてあの女性のように手足を拘束された人間。  もし、手足を拘束された幼い少年と出会ったら………  その時、左目がズキズキ痛んだ。 『う…』  構わず進むとどんどん痛みが増してくる。ーつの扉の前に立った時、左目の痛みは頭痛へと達してしまった。  それでも扉を開けようとしたその時ーー 『侵入者を発見しました。………子供のようです。』 『あれは、まさか皇女殿下!?』 『どうしますか?』  警備員だろうか?ダークスーツを身に纏った二人の男性が走って来た。肩に付けた無線に向かって、話している。
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