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警備員はトリガーに指を掛けた。少女は、逃げなければならないと思いつつも足が竦んで動けない。
そんな少女を警備員は容赦なく撃った。
『っ!?』
少女は、反射的に自分の腕をクロスさせ、防御の姿勢をとる。が、その銃弾は少女のもとへ届かなかった。
先程、少年と少女を包み込むように輝き出したあの紅い光が、銃弾を入れることを拒んだのだ。
銃弾はあらぬ方向に飛んで行き、コンクリートの壁に穴を開けた。少女は、その光景に驚きながらも、銃はもう敵ではないことを知る。
一番驚いたのは、銃を撃った張本人だ。
『何が起こったんだ…』
そう言いつつも、気を取り直し、もう二発銃弾を打ち込む。しかし結果は変わらない。
『何で!?』
警備員は銃を捨て、力尽くで少女を捕らえようと踏み出す。でも、少女へと伸びたダークスーツの腕さえも紅い光は拒んだ。
バシィッという音がして、警備員二人を身体ごと弾き飛ばす。
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