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もう一度椅子に戻り、机の上に腕を重ね、顔を沈めた。トレイは巡回する警備員が回収してくれる。
あまり、出されたものに手を付けたくなかった。少女は、無駄なプライドが高かった。
この部屋に入れられ、自由を奪われ、使用したい時に使用されるだけの扱いに憎しみを抱かずにはいられない。
それにも関わらず、憎しみの対象となるものから施しを受けなければ生きられない無力さが気にいらないのだ。
これは、少女の気持ちを矛盾させる。
その矛盾を抱えたまま、長い時が経った。
今が何年の何月何日か知らない。部屋に有るのは、時計だけ。だから、分かったのは一日を送るための必要最低限の目安だけだった。
少女は、『今日』に拘束されていた。過去へは戻れず、未来は夢見ることすら出来ない。
そんなことを考えていると部屋の外で警備員から呼び出しがかかる。
(また、国王の…)
少女は、内心渋々ではあるが、それを表に出さず鉄格子の前に立った。
警備員から眼帯を受け取り、左目につける。その様子を確認した警備員は部屋の外に取り付けられた南京錠を外した。
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