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しばらく二人で顔を見合わせて(正確には睨み合ってだろうか)いたが、やがてヨミが口を開く。
「お前の目的は何だ?」
「あんたを誘拐しに来た!」
いきなりすぎる発言をさらりと言ってのけたユウキに思わず呆れた顔をしてしまう。
「……………は?」
「詳しい話は後で良い。とにかくオレに付いて来い。」
(なんて一方的なやつ…)
ヨミはそう思った。ユウキはそんなヨミの手を掴もうと手を伸ばす。だが、その手は呆気なく振り払われた。
「王の命令ではないのなら、私はここから出ることは出来ない。フォレアーナ国の国王が存在する最重要建築物であるこの城の地下に侵入した力量は認めるが、私を連れ出すのは褒められたことではない。」
少女は、そう言って言葉を切り、問う。
「この騒動は国王の命令か?」
「違う。あんたには悪いが、オレは国王を信用してねぇからな!」
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