0人が本棚に入れています
本棚に追加
「げっ!」
退屈な授業の暇つぶしに、落書き程度に書いていた小説の続きを書こうと、ノートを開いたボクの目に明らかにボクとは違う筆跡の文字が飛び込んできた
『続きはないのかな?
面白かったよ。
早く続きが見たいです。』
何だコレは……
何でこんなことが書かれているんだ。
ボクの居ない間にボクの机の中に何が起きたんだ?
いや待て、一回冷静になろう、机の中を見られたのは多分1つ前の選択科目の授業の時だ。
確かこの教室は世界史の授業に使われていたはず。
どこの誰だか知らないが、随分大胆な事をしてくれる……
特に盗られる物はないのだけど、何か不安になってきたな、一応中身を確かめてみよう。
机の中を入念に調べたが、無くなっている物は無いみたいだ。
しかし、参ったな……
まさか誰かに見られるなんて夢にも思わなかってたな。
多分、文字からして女子みたいだけど。
あまり感心しない趣味な持ち主のようだ、全く最近の若い者はこれだからいかん、まったく……
などと思っていたのだが、机の角に小さな傷が付いているのに気づいた。
なるほど、机を倒した拍子に中身が転がり出たのか……
納得がいった、まあいいんだけどね。
しかし一体どんな子なんだろう?
ボクは机を倒した人間に興味が出て来た、それにボクの書いた小説も楽しんでくれたみたいだし。
ちょっとコンタクトを取ってみるか……
さてコンタクトを取るにはどうしたらいいかな?
ボクは授業そっちのけで、机を倒した人間にコンタクトを取るための作戦を練り始めた。
最初のコメントを投稿しよう!