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「真愛先輩!!」
「梨杏?」
「なんで、大毅のところに行かないんですか!」
梨杏は泣いていた。
「わたしはふられました。
ちゃんと、自分の気持ち、伝えました。」
「どうして、先輩は自分の気持ちを伝えないんですか?」
梨杏の言葉が胸にささる。
わかっている。
自分の弱さは自分が一番わかってる。
「だって大毅には好きな人がいるんだよ。」
「それが告白しない理由ですか?」
「それもあるよ。でも、嫌われるのが嫌なんだ。」
「先輩はいつも、でもとかだってって言って何かと理由をつけて逃げますよね。」
「それに、嫌われたくないんじゃないんですよ。自分が傷つきたくないだけです!」
「先輩の大毅に対する好きはそんなものなんですか?」
梨杏の言葉で自分の中にあった言い訳の言葉がスッと消えた。
「梨杏、ありがとう。」
わたしは部室を飛び出した。
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