mission0 ‡ 2090年・散る文化(Culture which breaks up)

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≒ (ガリレオ視点) 私の秘密基地の中はパソコンと武器具、木造の机に椅子が置かれている。 この殺風景の秘密基地ことミッションルームである。 そんなミッションルームに顔馴染みの砂金麗美(いさごれみ)が仁王立ちに意識不明の少年をジトみていた。 『なぜ彼が無傷だったのでしょう?彼の周りは残骸が沢山いたのにも関わらず彼だけが......可笑しくありません?ガリレオさん』 赤い髪に緑色の軍服を着ている女が口にする。 『......まさか彼がテロの一員で!反逆に回った可能性があると考えられますでしょうか?』 反逆とはすなわち敵軍の見方についたテロリストの事である。 「わからない、それは本人に聞くしかなかろう」 『それはそうですが......もしテロの一員なら私達は殺されますよ?』 テロリストは手をわずらわせない。 心配そうに尋ねる女は男の頬を意味もなくつねりつつも『犯罪者犯罪者』と連呼している。 分からなくもない。 戦争を生き抜く輩が心配そうに言うのは仕方の無い事だ。 戦争と言うふた文字のみにくい単語はトラウマであり大きなストレス。 戦争慣れをしていればそんな発想は疎か、記憶喪失だと本人が述べてもこの国の人間は耳を傾けずにこの少年を射殺をするであろう・・・ 仮にも私達、、純粋な一般人を貫く者としては、、むやみに殺さず、、生かし仲間に迎えいれる。。そして、利用する。 これが昔から伝わる平和理論。 「ふふふ......世の中ギブ&テイクですよ、大丈夫大丈夫」 「......はぁ」 ミッションルームから爆撃の音を聞いた私達は現場に駆け付けた。 現場には少年が膝を地面に着いた状態で頭を抱えながら 「おれはだれだ」の繰り返しに私はあきれていた。 私は彼に無視され思わずキレてしまい。麻酔を打ち込みミッションルームに連れ出していた。 仮に記憶喪失が本当だったとする。 記憶喪失なら彼はたんなる迷える子羊。 子羊を利用しないなんて、このご時世には存在しない。 甘い誘惑に勝てないでいる私は!なんて醜いのだろう!? 最低だと分かりつつもタダでは帰えさない。 それが私流だ。 平和だろうが戦争だろうがギブ&テイクであるのは世の中から消し去る事は出来ないだろう。 少年は安らかに眠ったままだが、そろそろ目を覚ましても良いのだが、かれこれ2日間死んだように眠っている。 脈は有り生きてはいるようだ。
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