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「晴明様・・・」
鈴のような声が後ろから聞こえた。晴明は振り返りもせずに問う。
「早苗の君か。何か分かったのか。」
静かにかぶりをふる。が言いにくそうに
「晴明様は我が母上を覚えておいでですか?」
瞬間、晴明が振り返る。まじまじと早苗の君を見据えた。そして。
「忘れるはずがなかろう。」
不機嫌な声をあげる。
早苗の君もうつむいている。
黒い豊かな黒髪の間から透けるような白い肌。紅を塗ったような唇がうかがえる。
「・・・博雅様と我が母上が関係してるようなのです。」
早苗の君も物凄く言いづらそうだ。
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