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「おぉ博雅殿」 保憲が呼ぶ。 「保憲様。お久しぶりです。」 「土御門の帰りか博雅殿。晴明は帰っておるのか?」 「いえ。まだでございます。まだ数日かかったはずです。」 ・・・っち。晴明に押し付けようと思うたに・・・ という空気が保憲の周りに満ちる。 がそこに博雅が気づくはずもない。 「何かに晴明に御用がございましたか?」 「あ、いやちょっとな。お主羅城門の噂を聞いておらぬか?」 「いいえ?」 「あーと。毎夜毎夜楽の音が聞こえるそうだ。」 「ほう。それはどのような?」 博雅は興味津々である。
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