かくれんぼのはずが‥

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二人の間に沈黙が流れる 男の人はわたしの上に乗ったまま少しも動かず 誰だろうかと顔を覗こうにも 彼の髪の毛が邪魔してよく見えない 私は私でいきなりのことで 何が起こったかわからず頭がうまく働かない とりあえず口を開く 「あっあの‥‥ どっ‥どいてもらえませ「しっ」 彼は口元に人差し指をそえて私の言葉を遮った そして 私の耳元で 「静かに」 とささやいた その声はとても優美で どこかで聞いたことのある声だった .
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