1章:フローラ・カルタール

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あたりは森に包まれ、空には見たこともない怪鳥が飛んでいる。  睦月空也を含む数人がこの場に佇んでいた。 「ここがデュラカース...か? 」  髪を金に染め、制服をだらしなく着崩した男が呟いた。  あたりをきょろきょろと見回し、次に自分の体に異常がないか確認している。  放心状態の人ばかりの中で、体のあちこちを確認しているこの男は相当行動力があるようだ。 「体には異常が無いみたいだが......ん? 」  一通り確認し終わった男は、ふと自分の腕に視線を移した。 「時計か、これ? 」  空也達の視線も自然と自分の腕に移る。  するとそこにはパーセントと表示された時計のようなものが付いていた。 「まさか、これがGC......? 」  先ほどまで放心状態だった人達もざわつきだしたようだ。  いたるところで「これがそうか...」だの「本物なのか...」と言った呟きが聞こえてくる。 「...使ってみるか」  GCの画面の少し下にボタンのようなものが付いていた。  もちろん皆気が付いていたが誰も弄ろうとはしない。  だが金髪の男は違うようだ。 「おし! 」  気合を入れると数値を一気に0まで下げた。 「特に変わった感じはしないな....なんだこれ?壊れてんのか?」  周囲の人々から落胆の声がもれる。  だが次の瞬間その声が驚嘆の声に変わった。  ーーーートンッ  静かな音と同時に男が跳びあがったのだ。  それも1メートルや2メートルどころではない。  学校の3階ぐらいの高さはある。 「すっげぇ! めっちゃ跳んでんじゃん!! 」  皆が呆然としてる中、男は見事に着地をきめる。  しかし、それから数歩ふらついた後尻持ちをついた。
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