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あたりは森に包まれ、空には見たこともない怪鳥が飛んでいる。
睦月空也を含む数人がこの場に佇んでいた。
「ここがデュラカース...か? 」
髪を金に染め、制服をだらしなく着崩した男が呟いた。
あたりをきょろきょろと見回し、次に自分の体に異常がないか確認している。
放心状態の人ばかりの中で、体のあちこちを確認しているこの男は相当行動力があるようだ。
「体には異常が無いみたいだが......ん? 」
一通り確認し終わった男は、ふと自分の腕に視線を移した。
「時計か、これ? 」
空也達の視線も自然と自分の腕に移る。
するとそこにはパーセントと表示された時計のようなものが付いていた。
「まさか、これがGC......? 」
先ほどまで放心状態だった人達もざわつきだしたようだ。
いたるところで「これがそうか...」だの「本物なのか...」と言った呟きが聞こえてくる。
「...使ってみるか」
GCの画面の少し下にボタンのようなものが付いていた。
もちろん皆気が付いていたが誰も弄ろうとはしない。
だが金髪の男は違うようだ。
「おし! 」
気合を入れると数値を一気に0まで下げた。
「特に変わった感じはしないな....なんだこれ?壊れてんのか?」
周囲の人々から落胆の声がもれる。
だが次の瞬間その声が驚嘆の声に変わった。
ーーーートンッ
静かな音と同時に男が跳びあがったのだ。
それも1メートルや2メートルどころではない。
学校の3階ぐらいの高さはある。
「すっげぇ! めっちゃ跳んでんじゃん!! 」
皆が呆然としてる中、男は見事に着地をきめる。
しかし、それから数歩ふらついた後尻持ちをついた。
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