プロローグ:旅立ち

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 ドームの中は思っていた以上に広く、10万人が入っているのにあまり狭いと感じさせなかった。  だが、そこにあるはずのスクリーンやゲームのコントローラー的な何か(一度も来たことが無いのでどのようにプレイするのかは分からないが)がどこにも見当たらない。  これについては疑問に思った人がいたようで少しざわついていたが、特に騒ぎになるようなことは無かった。    ドン!!!!!!!!  急に大きな音が四方から聞こえてきた。  音が聞こえてきた方向を確認すると、どうやら音の原因は大きな鉄の扉のようだった。  たぶん出入り口を閉めたんだろう。  だがなぜ鉄の扉なのか...  考えてるうちにどんどんドームの照明が落とされていく。  ゲームの始まりに皆が固唾を呑んでまっていた。  それに応えるかのようにどんどん暗くなり、そして一瞬の暗闇が辺りを包み――――――――― 『ようこそ皆さん! 我がモルモットたちよ!!! 』    どこか癇に障る声とともに地面から魔方陣のようにかたどられた光が一斉に放射された。  しかしモルモットという言葉に誰も反応できない。  ゲームの設定にしては俺たちに失礼過ぎないだろうか。    『皆さんには、今から異世界に行ってもらいまーす! あ! あとこれ、ゲームでもなんでもないから勘違いすんじゃねーぞ? 』    皆が反応できない中、その声は次々としゃべっていく。    『ちなみに、もう出入り口も閉めちゃったから逃げられませーん! 残念でしたー』    そこでやっと10万人のうちの何人かが鉄の扉を確認しだした。  
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