another world～重力を操るものたち～

0.5章：転送

　『GCは人間（地球人）が日常生活で活動する際問題が起こらないように設定されています。そのためあなた方は、地球と同じように生活することが可能となります。さらに重力設定を自由に変更することが出来るので、地球ではありえないような速さでの移動や跳躍が可能になり、戦闘にとても役立つことでしょう。しかし、重力を変更することで、体への負担が発生するので使用は自分の体と相談するようにしてください。なお、この機械は慣れてくると、頭で思うだけで使用できるようになるので、よく練習し使いこなしてください』

「地球ではありえない速さでの移動や跳躍可能」その言葉を聴いたとたん風のように走り屋根から屋根へ飛び移っている自分の姿が頭に浮かび上がった。
　俺はこんな状況でこのようなことを考えている自分に苦笑し、同時に、思っていた以上に余裕がある自分に驚いた。

　『次に武器と防具についての説明をします。これは今までの説明の中で最も重要なことですので注意して聞いてください。武器と防具は大きく分けて2つに分類されます。1つは我々が提供する防具と武器。もう1つはデュラカース製の防具と武器です。皆様はまだ学生です。そのため、血や肉片などを見るのにかなりの抵抗があると思います。そのため我々は受けたダメージを魂へのダメージへと変換出来る防具と武器を作成しました。そのため、これらで攻撃した敵は傷を負わず、一定量のダメージを受けると空気中にポリゴンが砕けるように消えていきます。また、敵から受けた攻撃も防具が使用者の魂へのダメージへと変換するため傷を負う事は一切ありません』

　その言葉を聴き人々が一様に安堵したのが分かった。
　しかし、もちろんそんなに都合のいいことばかりおきるわけがない。
　無常にもリスクの説明へとアナウンスははいっていった。