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「……ん? まてよ、カエルの風鈴ってもしかして、隣の国語準備室で怒鳴り声聞こえたアレか?」
「……。ああ、癇癪持ちの子が怒鳴ったアレ。その節は2組にご迷惑をおかけしました」
6年1組と2組の教室の間には、国語の教科準備室というものがあった。2組の隣が僕のいた3組で、実質国語準備室は僕のクラスの教室から一つ教室を挟んだ状態な訳だが、そこから物凄い怒声が聞こえたのだ。国語準備室でクラスの癇癪持ちの子がブチ切れて怒鳴り出したのだが、それが3組の教室まで聞こえたという事は言わずもがな弘のクラスに直撃している訳で。
葵さんをバンザイさせて、ごめんニャと真顔で言ってみる。弘は苦笑いを浮かべていた。
「いや、別に過ぎた事だし自習だったからいいけどよー。何だったんだあれ」
「怒った担任が、投げて遊んだ面々に粉々になった風鈴を別室で修繕させるという物凄い無茶ぶりをして、関係ない僕らは普通に授業を受けてた時の癇癪君の怒声」
「成程、訳が分からん」
「うん、正直僕も意味分からない」
結局、その風鈴は粉々になった訳だから当然修理できる訳もなく、後日処分された。先生にとっては、反省させるつもりで行った事なのだろうけれど、癇癪君をキレさせて隣のクラスに迷惑がかかっただけに終わった訳だ。
……準備室が1組と2組の間って事は、言わずもがな1組にも大変な迷惑をかけていることになるが、当事者はいないのでそこは黙っておこう。
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