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同窓会に来る予定のメンバーが全員揃った所で、全員がタイムカプセルの元へ向かう。確かタイムカプセルは、母校の校庭の記念樹の根元に埋まっていた筈だ。
「はい、じゃあ男子力仕事お願いね~」
スコップを数本抱えたオカマが男性陣にそれを配る。僕は何故か軽くスルーされた。力仕事は好きじゃないし、ラッキーと言えばラッキーだ。
「あああ、黒歴史が掘り起こされる……」
だからどうして黒歴史になるようなものを書いたんだ、山本さん。小学生で中二病か。
「俺、自分宛になんて書いたっけなぁ」
「あ、俺は野球選手になれてますか? って書いた覚えがあるぜー」
発掘作業をしながら、他の人たちは楽しそうに話している。
それから、昔の僕が今の僕に宛てた手紙を受け取って、各自解散する筈だった。
――タイムカプセルと一緒に、白骨死体が見つからなければ。
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