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「そもそも、なんで真のクラスはタイムカプセルを埋める事になったんだっけ?」
「よく覚えてないな。けど、クラスメートの意志とかそういうのじゃなくて、担任のノリでなんかこうなったって言うのだけは覚えてる」
どういう理由だったか、担任が唐突にタイムカプセルを埋めようと言いだしたのだ。それで渋々、クラス全員が十五年後……つまり26か27歳になった時の自分に宛てた手紙を書いて、ポリバケツの中に入れて記念樹の下に埋めた。そんな流れだった筈だ。
「それで、お前はなんて書いたんだ?」
「覚えてない。だいたい、覚えてたら面白味ないと思うけど」
というか、多分きっと山本さん以外自分が書いた内容なんて覚えてないと思うし、覚えていたら内容によってはその山本さんみたいに唸っていたかもしれない。とは言わないでおこう。
「それもそうか」
「それより、もう葵さんにごはんやった?」
「まだ。俺忙しいからカリカリやっといて。このプログラム明日までに修正しなきゃならねーんだわ」
葵さんは僕らが飼っている黒猫で、この名前は高校の頃にはまっていたラノベに出てくる猫の名前から付けられた。今年で8歳くらいだろうか。人慣れしたお殿さまだ。
「わかった。じゃあ、向こうでカリカリ食べようね葵さん」
抱きかかえた猫に視線を向ければ、それに応えるようにニャーと鳴く葵さん。お主、可愛い奴よのう。
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