壹章

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一瞬の静寂。 と共に魔犬と呼べる犬が一気に間合いを詰めてきた。 「セイクリッドランス」 一番怯(ひる)まずに攻撃を仕掛けたのは魅湯だった。 聖なる矢が魔犬を射抜く。魔犬の右足が吹っ飛ぶ。 しかし、魔犬はものともしない。 「まずい」 俺は魅湯の元に駆け寄る。 「光障壁」 光の壁が魅湯の目の前にそびえ立つ。 犬はその壁にくらいつくが、破れはしない。 「グランドブラスト」 地面が爆発し、魔犬のバランスが崩れる。 「ダッシュ」 俺が出現させた壁を魅湯の光が勢いよく弾き飛ばす。 魔犬は光の壁と特殊加工ガラスに押し潰される。 「そこまで。よく出来ましたね」 教師の声と共に、魔犬との戦いの緊張が耳から抜けた。
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