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「お兄様起きてください」
微かに声がする。
冬の朝は相変わらず寒い。
起きなければならないこともわかっている。
でも起きれない時、それもよくわかっている。
「お兄様、私のキスで目覚めてください」
「のわぁぁああああ!!」
自ら布団を剥がしとり、壁に頭突きする。
「起きたから!起きてるから!」
俺が叫ぶと、妹はニコニコしながら、小テーブルの上に積み重ねられた本を手に取った。
「お兄様が起きれなかったのは、これのせいですか?」
妹の手には姉物や姐御肌系のエロ本が。
「違います!違います!」
妹の黒く長い髪が逆立っているように見えた。
「でもこれは没収ですね」
妹は積まれたエロ本を魔法で燃やし始める。
「お宝が…」
力無く膝を付く俺。
厄日だ。
勝ち誇る妹に俺は屈服するしか無かった。
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