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「いくぜっ」
剣武帝の方から突っ込んでくる。構えも何もない。コイツ、なんなんだ。
俺はその無防備に振り下ろされる剣を後ろに避ける。剣はそのまま地面を叩いた。その地面がその衝撃で割れるのを見て、俺は思わず驚いた。
軽々しく振っているからそこまでの攻撃力があるとは思わなかった。警戒しないといけないな。
「お、これくらいは避けるか。そうじゃなきゃつまんねぇ」
俺を試したのか。まだまだ早く出来るって事なんだろう。それにしたって正面から来る必要はなかったと思うが。それにしてもあんな剣をそう簡単に振らしたらまずいな。
俺は思い切って前に出る。さっきのがどれくらい加減していたかは分からないが、スピードなら俺だって自信がある。
刀を下段に構えて、走り寄ると、剣武帝の前で刀を振り上げた。
「おぉ、速いな。でもまだまだだぜ」
剣武帝が剣を振るのが見えて、俺は再び距離を取る。俺が下がるのから僅かに遅れて剣武帝の剣が俺のいた位置に振り下ろされる。その衝撃でまた地面が割れる。どれだけ重いんだ、あの剣。
ってか、そんなに重いんだったらあそこまでは簡単に振れない筈だ。何か秘密がありそうだな。
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