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「あの風はなんなんだ?分かるか?」
あれを破るにはまずその性質を知らないといけない。そう思って雷龍に問う。その間にも、剣武帝は俺に向かって突っ込んで来て、剣を振るってくる。俺は速身電変の力も使ってそれを避けた。
「あれは魔力そのものだな。仁も魔力を抑えんと風が出るだろ。あれだ」
あの風か。あれをあんな風に自在に操ってるって言うのか。
「そう簡単に出来るものではないがな。あの歳でやれてしまうとは、末恐ろしい子だ」
「それで何かいいアイデアはないか。今のままじゃ勝つどころか攻める事も出来ん」
剣武帝の遮二無二の攻撃を受けつつ、隙を見て攻撃し返すが、その全てを風に弾かれる。あんな風に使いこなせたら便利だよな。
「ない事もないが、危ない賭けではあるな」
「構わない。教えてくれ」
「おいおい。さっきから何一人で喋ってんだよ」
剣武帝は剣を振って退屈そうに俺に向かって風を飛ばしてくる。こんな事なら風魔法も少しは練習しておきたかったな。
「そんな方法」
頭の中に響いてきた雷龍の考え。試すには流石に度胸がいるが、今の状況じゃそれを試すしかないだろう。
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