双龍と力

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「それ、試すのちょっと待て」 突然頭の中に入り込んできた聞き慣れない声。雷龍以外に俺にこんな事が出来るのは黒炎龍くらいだ。 「おいおい、マジお前大丈夫?なんか幻でも見てんの?」 剣武帝は攻撃するのすら止めて俺の事を見ている。使い魔を知らない連中から見たら奇行に見えるんだろうな、この会話。 「黒炎龍か。こんな時になんだ?」 「うるせー黙って聞け。奴に変な奴って思われてんぞ」 もうそれは半分諦めてるからいいんだけどな。 「ちょっと考えが変わった。条件付きでお前に力を貸してやる。俺の使えば、さっきの方法の精度が増すからな。条件だがな、簡単だ。お前、俺に会いに来い。それと俺の力の使い方見せてやるから少し体を寄こせ。それだけだ」 黒炎龍かどんどん勝手に話を進めていく。一体何だっていうんだ。急に力を貸すなんて言い出して。 「おめぇの刀は雷龍のだったな。なら大丈夫だろ。んじゃ変わんぞ」 「ちょっと待てよ」 勝手に話を進めた上、勝手に実行しようとする黒炎龍を俺は流石に止めた。勝手にも程があるだろう。
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