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「んだよ。さっさとやらねぇと俺、知らねーぞ」
本当に勝手な奴だ。そして俺の奇行に、戦う事を諦めたように剣武帝は風で体を宙に浮かしたままあぐらをかいて欠伸をしている。話に集中出来る分にはいいんだけど、俺どんどん変な奴みたいになってくな。
「分かった、多くは聞かない。ただ、一つだけ聞かせろ」
「んだよ」
「なんで協力する気になった?」
「考えが変わったっつったろ。それ以上は今話す気はない」
本当に勝手な奴だ。でも今の状況を打開出来るならそれも仕方ないだろう。
「分かった。やってくれ」
「ふん。んじゃいくぞ」
その返事を最後に意識がスッと薄くなる。俺の体なのに、自由は利かない。でもそこに確かに俺の意識がある。
「んー、人間の体ってのは動きづれーな」
「お、変な会話は終わった?」
黒炎龍が俺の体を動かし、その動きを確かめるように手足を動かす。その様子を見て、剣武帝もあぐらをかいていた足を崩して立つような姿勢に戻る。
「待たせて悪かったな。もう終わった」
黒炎龍の荒い口調が声として発せられる。意識だけははっきりとしてるのに体は完全に黒炎龍が支配してる。そんな変な間隔だ。
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