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あの後… あたしがアンタを連れ去った後、
あたし達、息を切らせながらいつもの河原に行ったよね?
そんであたし、「なんで私に教えてくれなかったの」 って泣きわめいてアンタを責めちゃったよね?
そしたらさ、アンタ
「お前にだけは"サヨナラ"なんて言いたくなかったんだよ…!!
俺、お前が好きだ!!だから、…俺…」
そう言いながら
ポタポタとこぼれる涙を隠すように額がくっつくほど顔を地に近付けて、両手の拳で河原の石段を叩いてたよね?
手から血がでて、アタシが止めるまで ずっと。
あれでアタシは、アンタがどれだけ辛いのか 分かったよ。
だから、もう「なんでアタシに教えてくれなかったの」なんて、アンタを責める気になんかなれなかった。
「大河っ…!!」
アタシは大河を強く抱き締めた。
大河は震えるあたしの肩をあやすようにポンポンと叩いていてくれた。あたしが泣き止むまでずっと。
「ありがとう、美織。」
アタシは左右に首を振って、
「あたしも、大河のこと好き…!
だから、絶対帰ってきて…!!」
「…うん、約束な?」
そう言ってアンタは小指を差し出した。あたしは大河の小指に自分の小指を絡めて、
「約束!!」
って言ってしばらく2人で笑い四つ葉のクローバー探したね。
でも結局、見つからなかった。
四つ葉のクローバー、大河は、見つからなくてガッカリしてたけど、
アタシは、四つ葉のクローバーなんてどうでも良かった。
大河とああして一緒にいれただけで。
本当に幸せだったよ。
それは、伝わってたかな?
…伝わってたら、良かったな。
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